塗装ダメージの原因(春の花粉編)
塗装ダメージの原因(春の花粉編)
更新日:2022/01/09
いつもProcoをご利用いただき、ありがとうございます。
みなさんは屋外の駐車環境で起こりうる塗装ダメージについてご存知ですか?駐車環境によって塗装にダメージを与える原因は様々に存在します。
そんな数ある塗装ダメージの原因の中から、今回ご紹介する車の塗装を侵食する原因は、
「花粉」
この花粉を放置すると大切なお車の塗装にどのような影響を与えるのか、屋外環境に駐車されている方は特にお読み頂ければと思います。
それでは、屋外の駐車環境で起こりうる、花粉による塗装へのダメージを詳しくご紹介していきたいと思います!
花粉による塗装へのダメージについて
日本では関東で特に、2月〜5月にかけてスギやヒノキの花粉飛散がピークを迎えます。
私も毎年この時期は、決まって目の痒み、鼻水、くしゃみに悩まされておりますが、それと同時にカーコーティングの作業においても、花粉にはしっかりと悩まされており、毎年恒例ダブルパンチを頂戴しております。笑
話を戻しますが、花粉で代表されるスギやヒノキ花粉はご存知の通り、サラサラの黄色っぽい粉状のものを想像されるかと思います。
遠くに飛ぶよう設計された花粉は、春先から梅雨前にかけてピークを迎え、車の塗装面に黄色いサラサラの粉として降り立ちます。このサラサラの状態でしたら、洗車で簡単に除去が可能ですので特に問題ありません。
しかし、塗装面に乗ったこのサラサラの花粉が雨等の水分に濡れると、ペクチンと呼ばれるタンパク質が飛び出し、塗装表面に根を張り取れずらくなります。
更に更に、1度濡れた花粉は乾燥すると同時に根を張ったまま収縮します。すると、花粉染みと呼ばれるイオンデポジットのような状態を作ってしまうのです。
花粉染みが出来るまでのメカニズム
花粉が塗装面にサラサラの状態で乗る
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そこに雨が降る
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花粉からペクチンが飛び出し塗装面に根を張る
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雨上がりに晴れる
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根を張ったまま花粉が乾燥して収縮
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花粉染みになる
この一連の流れが何度も何度もループする事によって、更に深く塗装を侵食するので花粉染みが取れなくなるのです。
花粉染みが出来てしまったらどうすればいいの?
ここまで、花粉による塗装面への影響と、花粉染みになるまでのメカニズムを簡単にご説明しましたが、ここからは塗装面に付着してしまった花粉に、どう対処すれば良いのかをご説明します。
花粉はダメージが進行する段階ごとに対処法が変わります。更に細かいことを言えば、各車メーカー、年式、色ごとに塗装の特徴があります。
ですので、花粉によるダメージ進行の度合いは一概には言えませんが、これまでの経験から花粉染みが出来るメカニズムの表を元に、段階別での対処法を大まかにまとめましたので、以下お読み下さい。
花粉が塗装面にサラサラの状態で乗る
花粉が水に濡れてペクチンが塗装面に根を張る前であれば、ご自宅での洗車による除去が可能です。花粉の時期は、なるべくこの段階で花粉を洗い流して除去するように心掛けてください!!
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そこに雨が降る
この段階でも、ご自宅で洗車による除去が可能な場合が多いです。 車種メーカーによっては、ショップで研磨の対応が必要なこともありますが、そのような事例はあまり多くはないです。花粉に少し粘り気が出るので、除去する為の洗車に手間がかかることが多いです。
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花粉からペクチンが飛び出し塗装面に根を張る
この段階では、1つ前の段階に比べて濡れて暫く時間が経っているので、花粉の粘り気が強くなり、更に花粉のペクチンが塗装に根を張っています。ご自宅での洗車による除去も、1つ前の段階より手間がかかるものになっているはずです。ショップでの研磨が必要なケースもちらほら出始める印象です。
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雨上がりに晴れる
この段階まで進むと、花粉のペクチンが根を張った後に収縮し、花粉が深く塗装を侵食してしまっているので、ご自宅での洗車で除去するのはかなり厳しいかなと思います。どうしても花粉染みが気になる方は、ショップでの塗装状態のチェックや対応を検討されるお客様が多いです。
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根を張ったまま花粉が乾燥して収縮
この段階では、花粉のペクチンが根を張ったまま乾燥し、塗装と一緒に収縮することで著しく車の美観を損ねます。前の段階よりも1度濡れた花粉の乾燥が進み、花粉染みはより強固なものになっているので、洗車での除去はほぼ不可能になるかと思います。また、ショップでの研磨もかなり深い所まで塗装を削ることになりますので、この先の説明を読んで頂いてから、花粉染み除去のご検討をお願い出来ればと思います。
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花粉染みになる
この段階まで到達すると、前の段階と同様に、洗車による花粉除去はほぼ不可能で、ショップでの強い研磨でも完全に取りきれない花粉染みになっていることが多いです。そのような場合は熱処理(60℃〜80℃)によって対応しますが、花粉の影響を受けやすい、木々が植わっている公園の近く等にお車を保管されているお客様にとっては、一時的な気休めにしかならないケースもありますので、慎重にご検討頂ければと思います。
研磨でも取れない花粉染みはどうする?
研磨で除去することも一定のラインまでは可能ですが、コーティングを磨き落とし、塗膜を減らすことになる上に、物理的に完全に除去出来ない場合もあるのでオススメはしません。
しかし、ご心配には及びません。なぜなら、花粉は60~80℃の継続的な熱を与えることで除去することが出来ます。
実は研磨での花粉染み除去は、主に研磨による熱をかけることで花粉を除去していますので、除去する理屈は60℃〜80℃の継続的な熱を与えているのと同じなのです。
そんな特殊な状況を生む、自然な環境が日本にはあります 。
夏の陽射しです。
夏の陽射しで熱くなったボディは60℃〜80℃を優に越える温度まで上がります。ですので、花粉染みは夏になれば、研磨で塗装を減らすことなく、コーティングをかけ直すことなく、自然に取れることで知られています。
どうしても夏まで花粉染みが気になり、2~5月の花粉のシーズン中に花粉染みを除去したいお客様は、当店に1度お問い合わせ頂き、塗装状態の確認をさせて頂いた上でご相談を承ることが出来ればと思います。
まとめ
ここまでの記事で、花粉による塗装へのダメージと、花粉による塗装ダメージへの対処法をご理解頂けたのではないかなと思います。
これは屋外で起こりうる塗装ダメージの全てに言えることなのですが、花粉も他の塗装ダメージと同様、なるべく早い段階で洗車をして除去することが1番の対処法です。
私にとって花粉染みは、数ある塗装ダメージの中でも1位2位を争うほど、頭を悩ませる塗装ダメージです。
理由は、見た目への影響もマイナスな意味でインパクトがあり、研磨による熱で除去するリスクが高いからです。
もしも花粉が原因と思われる塗装ダメージが見受けられた場合は、なるべく早い段階での洗車を全力でオススメ致しております。
しかし、例外として長期間放置された花粉染みは、洗車や強い研磨でも取りきれない場合がありますので、そのようなケースは一度、お気軽に当店ホームページからお問い合わせ下さい!
また、夏の塗装ダメージについて、→こちらにわかりやすくまとめた記事がございますので、是非お読み頂ければと思います。
間違いない知識と技術を持った施工店として今後もブログや施工事例、YouTubeでの動画等、他のショップには無いような視点で濃いものを更新してまいりますので、今後とも是非チェックして頂ければと思います。
長文になりましたが、この度も当店のブログをお読み頂きありがとうございます!
たくさんのお問い合わせお待ちしております!!